材料
みずき工房では、主に以下6種の木材を使用しています。
ブラックウォルナット
北米産のクルミの仲間。家具材としては大変優良で、椅子からテーブル、キャビネットに至るまでオールマイティーに使え、それらのどのシーンでも、大人っぽくシックな雰囲気を醸し出してくれる木です。逆に、小さく部分的な使い方をすると、クラフトっぽさ、少年っぽさが出てきます。
材料価格のレベル:ハイクラスの上
ブラックチェリー
北米産のサクラの仲間。家具材としては大変優良で、椅子からテーブル、キャビネットに至るまでオールマイティーに使えます。一番大きな特徴は、色の経年変化の激しさで、右写真は、塗装後1年ほど経過した状態ですが、元は淡いピンク色のような感じでした。「家具を使い込む」ということを実感させてくれる木です。女性的な木。
材料価格のレベル:ハイクラスの下
ホワイトオーク
北米産のナラの仲間。ウイスキーの樽材として有名で、家具材としても優良です。重い木ですが、強度的に優れ、椅子やテーブル、キャビネットに至るまでオールマイティーに使える木です。どちらかというと男性的な木。
材料価格のレベル:ミドルクラスの上
クルミ
ロシア産のクルミ。木目不明瞭で、柔らかく傷がつきやすい木ですが、どことなく優しげで温かみのある木です。
主に、テーブルや箱物に使います。細いフレームの椅子などには強度的に不向き。
現在では、ロシアで輸出ストップになっているため、今ある国内在庫も値が上がっています。
材料価格のレベル:ミドルクラスの中
ホワイトアッシュ
北米産のタモの仲間。家具材としては良、木目明瞭で重い木です。
名前の通り大変白っぽい木で、サニタリー系のキャビネットや棚などに使うと清潔感と無垢の木の質感が同時に得られます。
材料価格のレベル:ミドルクラスの下
ハードメイプル
北米産の楓の仲間。家具材としては良。木目不明瞭で、白っぽい木です。
主に椅子のフレームなどに使っています。
箱物などには不向き。
材料価格のレベル:ミドルクラスの下
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上記中のサンプル画像、および「材料価格のレベル」等の情報については、あくまでも参考程度にみてください。同じ材種の木でも、景色や材質は様々で、価格も様々です。また、その時々の流行廃れもあり、木に対する評価は常に変動しています。
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みずき工房では、上記のような無垢材の他に、適材適所で合板等も使用しています。
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上のサンプル画像はすべて、オイルフィニッシュ塗装を施した後の、仕上げ状態の画像です。
この後、経年変化で、どれも黄色味が次第に加わって、落ち着いた味わいある景色になっていきます。
塗装とご注意
みずき工房では、主に、オイルフィニッシュによる塗装をしています。
オイルフィニッシュは、植物性オイルを主成分とした塗料を木肌に染み込ませる塗装で、塗料の安全性と無垢の木の素材感を重視した塗装です。
以下は、そのメリットとデメリットです。
<メリット>
・塗料の膜を作らないので、無垢の木の素材感を十分に生かせる。
・日頃のお手入れを怠らなければ、使い込むほどに味が出る。
・ユーザー・メンテナンス、再塗装が容易。専門的な知識がなくても塗装できます。
<デメリット>
・塗膜が無いので傷がつき易く、汚れやすい。
・水濡れ状態を放置すると染みができる。特に冷えた缶ジュースなどを置くと結露した水滴が垂れて黒い輪染みができる。
以上のメリット&デメリットは、量産市販の家具に多いウレタン塗装と比較した性質です。
ウレタン塗装の場合、家具の表面に強靭なプラスチック状の膜を作る塗装方法で、それによって家具を強力に保護します。
しかし、逆に、もとの素材感は失われ、また、完成直後が最高でその後経年劣化をしていきます。
その他、熟練した塗装技術と設備が必要で、再塗装には高額な費用がかかり、ユーザー・メンテナンスもほぼ無理です。
それに対して、オイルフィニッシュは、無垢の木を最大限に生かすために生まれたような塗装方法で、木の表面にオイルを染み込ませて、木の表面そのものを塗膜にする塗装方法です。再塗装も、ユーザー様ご自身で可能です。
<ご注意とお願い>
オイルフィニッシュのような塗装の最大の欠点として、シミの問題があります。
表面に塗料の膜を作らないため、水などの液体が染み込んで、乾いた後もその跡が残ってしまう現象で、例えば、コップの輪ジミがそうですが、オイルフィニッシュはこれに対して、決定的な解決策を持っていません。
そこで、必要なのはユーザー様の“木のモノ”に対する意識の持ち方です。以下、その一例です。
・濡れたままにしない。液体はすぐに拭き取る。
・テーブルであれば、食事の時にランチョンマットを敷く。
・飲み物は、コースターや受け皿とセットで。
また、シミやキズ、汚れに対する見方を変えていただくことも良いことだと思います。
確かに、新品のテーブルトップにできたコップの跡は気になりますが、それが幾たびも重なって、時とともにその木のモノの “味” となっていくこともまた確かです。
日々の生活の中で刻まれていく大小の記憶が、 “木のモノ” を特別なものにしていくという意識を持っていただければ幸いです。
ユーザー・メンテナンス
オイルフィニッシュで塗装された木のモノは、ユーザー様のちょっとしたお気遣いで、さらにその素材感を生かすことができます。
<日頃のお手入れ>
・納品後半月くらいは、毎日乾拭きするのがベストです。
オイルは乾きが遅く、表面的には乾いていますが、染み込んだオイルがしばらくの間は少しづつ染み出しています。
それを乾拭きすることで、さらに艶が出て、オイルフィニッシュの長所が生きてきます。
その後も、不定期的にでも結構ですので、時々乾拭きしてください。
・家具に使われるような木材は、高乾燥させているため水を嫌います。
汚れのひどい時は水拭きもやむを得ませんが、できるだけ早く乾いた布で拭き取り、日陰で乾燥させてください。
日頃のお掃除の時などに水拭きする時は、固く絞ってから拭いてください。
・直の紫外線は、塗装面や接着面を非常に速い速度で劣化させます。
その対応策として、例えば、レースのカーテンを引いたり、定期的に家具の配置換えや向きを変えたりすることはかなり有効です。
先回りのメンテナンスと考えて実行していただければ幸いです
<長期的なユーザー・メンテナンス>
・オイルは時間とともに乾燥して、撥水性や防汚力が落ちてきます。
その対応策が再塗装ですが、オイルフィニッシュの場合は、ユーザー様ご自身の手で再塗装が可能です。
再塗装というと大げさですが、柔らかい綿布などにオイルを染み込ませて拭きあげるだけでも大丈夫です。
オイルは植物性であれば大体どれでもOKですが、おすすめはクルミ油です。乾きも早く、臭いもベタつきもほとんどありません。
その他、ご不明の点はいつでもみずき工房にお問い合わせください。
(ご注意1)オイルの染み込んだ布は、使用後すぐに丸めて捨てると、発火の恐れがありますからご注意ください。
必ず、広げてよく乾かした後で、燃えるゴミとして捨ててください。
(ご注意2)2016年8月以前に、お買い上げ頂いた家具の場合は、塗装方法が違う場合がありますので、一度お問い合わせください。
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